第013話 真田幸村から学ぶ経営者の心構え


 

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真田幸村から学ぶ経営者の心構え

 

「一旦の約の重きことを存じて較ふれば、信濃一国は申すに及ばず、

日本国を半分賜るとも翻し難し」

 

 

これは昨年までの大河ドラマの主人公、真田幸村が大阪の陣の際に述べた言葉です。

 

 

大阪の陣において徳川家康は豊臣方にいた真田幸村に寝返りをさせるため、信濃一国を与える誘いをかけました。

 

 

しかし幸村は「一度約束した重みを考えれば、信濃一国、いや日本を半分得られるとしても、約束を破ることはできない」とし、家康の誘いを断ります。

 

 

幸村は上杉家に人質として仕えた際に、「目先の利益だけで結びついている集団はその利益がなくなると途端に崩れる脆いもので、一時的には満足できても、やがては人から信頼を失い、衰退する」ということを学んだと言われています。

 

 

幸村は「人は利に支配されるものだ」という教えてを受けていたと言います。それが上杉景勝、直江兼続が作る上杉軍の結束力の強さから、その価値観を変えたと思われます。

 

 

経営についても同じことが言えます。

 

 

短期的な利だけを求めている組織は一時的に注目を集めても、長く成長を続けることは難しく、気が付かれないまま世の中から消えていくということは少なくありません。

 

 

社員への給与を遅配する、あるいは取引先への支払いを踏み倒す、約束したことを簡単に反故にする、その半面自分の損得には異常に固執する、という経営者は残念ながらいるのは事実です(そんなに数は多くないかもしれませんが)

 

 

利を目の前にすると、人との約束を破ってでもその利を得たいと思う人がいるというのは話としては理解できなくはないです。人間ってそんなに強くないですもんね。

 

 

しかしながら、長い目で見ると、社員や取引先を裏切る行動は自社に力を貸してくれるサポーターをどんどん失うことにつながり、結局誰からも信頼されないようになり衰退せざるを得なくなります。

 

ベンチャーや中小企業が成長していくうえで、いかに力を貸してくれるサポーターを増やすか、ということはかなり重要な問題です。短期的利のみを考えていると、そのことで頭がいっぱいになり、人としてあるべき姿、企業としてあるべき姿を忘れて行きがちです。

 

 

自分が何を大切にするのか、あるいは自社が何を大切にしてビジネスをしていくのか、は経営者ならば常に考えておくべきことだと思います。

 

 

また、取引先選定の際にも、信頼に値する会社かどうかを良く見極めることは重要です。

 

 

さて、真田幸村は大阪の陣で敗れてしまいます。もしも家康の申し出を幸村が受け入れていたとしたら、、、。少なくとももう少し命を長らえていたことは間がいないでしょう。

 

 

しかし、もし受け入れていたら、現代まで語り継がれる武将となったかどうか。

 

 

これも誰にも分らない話だと思いますが、私は数ある中の一大名で終わったのではないかと思います。

 

この幸村の言葉から、どのような生き方をするか示唆が得られるように思います。

 

 

○経営者として考えておくべきことは

・人は利に弱い

・しかし利でのみつながる組織は短期的には満足できても、利がなくなると簡単に崩れるほど脆い

・長く会社を成長させられる経営者は、周りを巻き込める(力を貸してもらえる)人物で、そのような人物であるためには、短期的利ではなく、約束(義)を守るということは第一歩

 

 

ということかと思います。

 

私自身の心にも常に留めておきたいと思います。


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