第14話 経営における不動心とは


不動心_オレンジ×黒

 

経営における不動心とは

 

先週の日曜日、以前に東京に住んでいた時の地元であった目黒中央体育館で剣道の稽古をしてきました。

 

剣道では手ぬぐい(面をつける際に頭に巻くもの)に様々な教えが書かれています。面をつける際にはその教えを読みながら心を落ち着かせて面をつけるように指導されます。

 

今回の私の手ぬぐいに書かれていた言葉は、
「不動心」
でした。

 

日本人なら誰でも一度は聞いたことがある言葉だと思います。

今回のコラムでは、「経営者に必要は不動心とは何か?」について私なりの考えをご紹介したいと思います。

 

一般的に不動心とは、読んで字のごとく

「いかなる状態になっても動じず、少しも心を動揺させない精神状態のこと」

と教えられます。

 

この考えは武道において非常に重要で、相手と対峙している際に、心が動揺していたり迷いが生じている状態では心身が不自由となり、思うような動きができなくなってしまいます。これでは相手に対応するのが難しくなり、勝負を制することは難しくなります。

 

ただ、言うのは簡単ですが、心が全く動揺せず、平常心を保っているのは至難の業です。私は剣道七段ではありますが、正直不動心を保てているとは言えません。ですのでよく打たれてしまいます。難しいです。

 

心が動揺しないということは理想ですが、その境地に至っていない私でも実践可能なことはあります。それはできるだけ早く切り替えることです。

 

相手の一つの動きに囚われすぎるとどうしても自分の力が発揮できない。しかし、心が動揺した時には「どうすればよいのか?」という考えから「次に自分がやるべきことは何か」という考えにできるだけ早く切り替えることを意識します。

 

 

ではこの「不動心」を経営という観点から考えてみるとどう解釈すれば良いか考えてみたいと思います。

 

経営という厳しい仕事をしていると予想していないことが時に発生します。

例えば

・信頼している社員が突然退職する

・急激な市場環境の変化が起こる

・取引先との認識の違い(あるいは契約違反から)大きな損失を被る

等です。

 

こういう事態の際にはいくら百戦錬磨の経営者といえども、全く心動かさずに居られる方は現実的には少ないと思います。

経営者も人間なので、事態に直面した時には怒りや混乱、迷いが生じるというのはやむを得ないかと。

 

しかし、こういう場面で経営者としてあるべき姿は、一瞬は動揺してしまっても、その事態を打開するために心を切り替えて今できることに集中し状況を好転させることです。

 

例えば従業員のミスで大きな損失を被った場合、その従業員を責めたくなる気持ちは人としては理解できます。従業員に対して「お前が責任とれ!」などと会議で激しく叱責する姿を私も見たことがあります。

 

また、信頼していた従業員が突然退職してしまうという場合でも、「今まで色々と目をかけて可愛がってきたのに、、、。恩を知らないヤツだ。」という気持ちを持ってしまうことも理解できます。

 

でも、これら二つともが「心の動揺」なんですね。

 

反省することは必要だと思いますが、後悔することや相手を攻撃することは会社の業績に何のプラス効果も与えません。経営者としてここで考えるべきことは、

「なぜそのようなことが起こったか」

「同じことが再度起こるということはないか」

「対策を施すとすれば何をするべきか」

を考えることです。

 

一瞬は動揺したとしても、経営者として考えるべき事項、あるいは会社として答えるべき問(これをイシューと呼ぶこともあります)に対して可及的速やかに取り組むというのが、優れた経営者が実践するべきことです。

 

上記の意味から考えると、経営における不動心とは


「一つの事象に心を囚われ続けることなく、その事態を打開するために自社として答えるべき問に速やかに対応できるマインドセット」

と言えると思います。

 

皆さんは経営における不動心をお持ちでしょうか。

経営における不動心を発揮することで自社の実力を十分に発揮できる状況を作っていただきたいと思います。

 

 


持続的成長戦略- 中小企業を優良企業に導くメルマガ に登録