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第019話 新規事業立ち上げを成功させる3つのポイント


新規事業立ち上げを成功させる3つのポイント

 

 

 

先日、一部上場企業の中で新規事業を担当している5名の方々と食事会を実施しました。新規事業にアサインされてイキイキと仕事されている方もいれば、新規事業の重要性は理解しているものの上層部からの支援を思うように得られずやや悶々としている方もおられました。その意見交換の中で出された「大企業においてどうすれば新規事業の成功確率を上げられるのか」という論点について要約すると以下の3つになります。

 

 

○成功させるための要件1 トップのコミットメント


大企業の場合で言うと担当役員のコミットと言い換えても良いかもしれません。「トップのコミットメント」というと、既に言い古されている感がありますが、具体的にコミットは何をさすのかについては明確に述べられているものはほとんどないと思います。


失敗を許容することというのが一般的な考え方かもしれませんが、ただ闇雲に事業だけを乱立させて失敗するという意味ではないということは言うまでもないと思います。

 

ここで大事なのは、「期間を許容すること」だと思います。例えば3年以内に新規事業で10億円の売上を作る、というように期間を許容することが重要です。新規事業はすぐには結果が出ません。


一方で、業績評価、人事評価は単年度で行われてしまいます。単年度で成果を出せと言われるとなかなか思い切ったことができない現実もあります。このギャップを補正するために「3年」などの期間を設けて担当者がやりやすい環境を作ることが必要となります。

 

この期間を許すという意思決定をできる立場の人は経営者、あるいは役員クラスの方になるでしょう。その意味で、トップがコミットして3年は赤字を出すかもしれないが、その後はしっかり花を咲かせるような事業を育てる環境をつくるというのが成功要因の一つだと言えます。

 

 

○やる気と能力がある担当者のアサイン


大企業でよくあるのが、いやいや新規事業に取り組んでいるというケースです。順調に出世街道を歩んでいたものの、何らかの事情でそこを外れた人を新規事業に回すというケースが意外に多くあります。


また、当の本人からしてもリスクの高い新規事業を担当させられるより、既に実績がある既存ビジネスを担当したほうが人事評価上有利になるという考え方は理解できなくはないです。


しかし、新規事業を立ち上げる困難さを考えると、上記のようなモチベーションの低さではなかなか壁を突破できないとうのもまた事実です。新規事業にアサインする人は優秀であることはもちろんですが、その事業に対してやる気と熱意を持っている人に担当してもらうことが成功への近道です。


内部にどうしてもそういう人材が見つからない場合は外部から調達することも検討すべきでしょう。実際、今回お話しをした方々の会社では外部から加わった方が新規事業の流れを活性化しているということもあるとのことです。内部資源が重要であることは間違いないですが、それだけにこだわらず外部からの調達、あるいは連携も積極的に進めていく必要があります。

 

 

○現事業からの理解と協力


ここがゼロから立ち上げるベンチャーと社内での新規事業立ち上げの一番違うところです。新規事業立ち上げの場合、販売は既存事業の販売網、また生産についても既存の技術、生産設備を使えるというケースが少なからずあります。このような内部資源の活用はかなり有利に働きます。

しかしながら、新規事業部門が他部門からあまり認められておらず「好き勝手なことばかりやっている金食い虫」のように思われている(これは結構ある)場合は協力を得るのが難しくなります。新規事業部門の意義を発信することはもちろんですが、経営者や担当役員がその役割を十分に説明しておくことが重要です。

新規事業部門もアンタッチャブルな部門のように立居ふるまうことなく、常日頃から現業部門への協力を依頼するなど継続的にコミュニケーションしていくことが重要です。

また、現業部門が新規事業部門に協力した場合の評価への反映も同様に重要です(部門のトップ同士で握る必要があります)。

 

 

大きく言うと少なくとも上記の3点は大企業の中で新規事業を成功させるポイントと言えます。大企業がゆえに上記3点を満たすことが難しいという側面もあるんですね。


ここ最近、大企業の方々がイノベーションへの関心を高めておられるのも肌で感じるところです。まずは社内の環境づくりとして上記の3点を確認いただき、新しいビジネスをどんどん作って行ってもらいたいところです。

(札幌のスタバにて)