安定している?それ、衰退です。


「うちは安定している」


そう思った瞬間から、衰退は静かに進みます。
会社は、ある日突然、倒産するわけではありません。
倒産は「結果」です。

しかし、その「結果」の前には、長い静かな時間が
流れています。

多くの中小企業は、いきなり売上がゼロになる
わけではありません。
社員が一斉に辞めることも、そう頻繁には
起きません(時々そういう話は聞きますが)。

資金繰りが今日明日で急に破綻することも稀です。

むしろ、問題はその逆にあります。
売上はそれなりにある。
利益も厳しいながら出せている。
銀行との関係も悪くない。

つまり、会社は「回っている」状態です。

それでも、、、
会社は、静かに弱っていきます。
ただ、痛みがないので、気づかない。

問題が表面化していないから、動かない。
しかし構造は、少しずつ古くなっていく。

価格は下げられる。
粗利は削られる。
若手は育たない。
投資は先送りされる。

どれも、それ一つでは致命傷ではありません。

だからこそリスクなのです。

A社は製造業を営む創業30年の安定企業でした。

売上はここ5年ほぼ横ばい。
利益も毎年数千万円出ている。
銀行評価も悪くない。

社長はこう言っていました。
「うちは派手なことはしません。堅実経営です。」

しかし、実態を分解すると、
・主力顧客1社への限界利益依存度が45%
・若手採用は5年間僅かながら実施しているが、離職が多く
若手社員の増加はゼロ。結果として社員が高齢化
・粗利率はじわじわ低下

決算書は何とか黒字です。
しかしビジネスの構造は完全に老朽化していました。

そしてある年、主力顧客の業績不振により受注が大幅減少。
限界利益額は一気に3割減少。
赤字に転落したのは、その翌年でした。

しかし、この会社が本当に弱り始めたのは
赤字になった年ではなく5年前だったのです。

倒産は突然起こったように見えます。
しかし本当は、長い「静かな時間」の積み重ねです。

会社が弱る原因は、赤字に転落することや大きな失敗
などももちろんありますが、しかし、より深刻な原因は、

今のやり方を
「変えなくても回ってしまうこと」
です。

回っているから、変えない。
変えないから、構造は古いまま残る。
古い構造のまま経営環境が変わる。
すると、新しい経営環境に構造が対応できず
利益率がじわじわと削られていく。

そして、ある日ふと気づくのです。
「大きな失敗はしていない。
でも、選択肢は減っている」と。

選択肢とは、
「新規投資ができる余力」
「採用や教育ができる体力」
「広告など売上を強化する投資」
「失敗しても立て直せる余白」
などのことです。

これらが少しずつ失われていきます。
恐ろしいのは、その進行が静かであることです。

人間の病気に例えるなら、
自覚症状のない生活習慣病のようなものです。

痛みがないから、放置する。
放置するから、悪化する。

会社も同じです。
「今は大丈夫」が積み重なると、
やがて「もう打つ手がない」に変わります。

ここで重要なのは、

これは努力不足の問題ではないということです。
多くの経営者は、人一倍働いています。
朝早くから夜遅くまで、現場にも出て、営業もして、
社員の悩みにも向き合っている。

もちろん社員も一所懸命に働いています。

問題は努力の量ではありません。
問題は、努力の方向です。

経営環境は変わっていきます。
人口は減少し、市場は縮小し、
テクノロジーは急速に進化しています。

その中で、過去にうまくいった構造を維持することは、
実は最もリスクの高い選択です。

会社は、止まった瞬間から老化が始まります。
だからこそ必要なのは、
「急成長」でも「現状維持」でもありません。

必要なのは、
静かな衰退を止める設計です。
今の構造をバージョンアップする意思です。

会社が弱るのは、一夜にしてではありません。
しかし、何もしなければ確実に弱ります。

あなたの会社は、今、止まっていますか?
それとも、進化していますか?

この違いが、あなたの会社の5年後を分けます。


持続的成長戦略- 中小企業を優良企業に導くメルマガ に登録