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第27回 「逃げ切れる!」という幻想を捨てる


皆さん、こんにちは。
 
 
コンサルティングの現場で経営者の方々とお話をしていると非常に高い危機感を持って経営をされている方が数多くいます。
 
一方で、その会社のベテラン社員(40代後半から50代の方々)とお話していると、あまりにも危機感がなく、そのギャップに驚くことがあります。
(つまり、業績に貢献するという意識が低く驚く、という意味です)
  
経営者が持つ危機感を社員も同様に持つということは立場の違いもあり私は不可能だと思っていますが、それを考えたとしてもあまりのギャップの大きさに当惑してしまいます。言葉で表現することはなくても、「このまま逃げ切れるのでは」という思いがあるのだろうと思います。
 
 
しかし、トヨタ自動車が終身雇用は難しいと発言したとおり、日本トップクラスの規模の企業でも終身雇用を守れなくなっています。
 
また、キリンビールは最高益を出しても希望退職を募っているという事実もあります。
(余裕がある間に非生産的な社員は会社を去ってもらうというのが趣旨かと推測します。非生産的な社員を教育をし直すコストより、割増退職金を払ってでも会社を去ってもらった方がメリットが多いということかと受け取りました)
 
 
大企業でさえ、このような状態なのに、中小企業に勤めていて「会社にしがみつく」という発想が如何にリスクが高いかは言うまでもありません。
 
このような発想を持っている、いわゆる「働かないオジサン社員」は貢献が少ない割に給与が高いため財務面での負担が重く、さらに事態を悪くするのは、このような働かないオジサン社員が周りにいることで若手社員がモチベーションを落としてしまうことです。
 
 
このような働かないオジサン社員を数多く抱える企業は、財務的余裕がなくなるため将来の成長への投資(新規事業やIT、設備、人材等)が十分にはできなくなります。
 
また、若手社員のモチベーション低下は企業の成長力に深刻なマイナスインパクトを与えます。このような状態になると、企業としての競争力が徐々に損なわれていき、将来的には市場から退出することになる可能性が高まります。
  
このような負のスパイラルを生まないために、ベテラン社員は考え方を変える必要があります。希望退職はまだ良いほうで、リストラや倒産ということもあり得るんだということを認識するべきです。「今日と同じ明日が来る」という幻想は捨てましょう。
 
 
一方で、ベテラン社員からすると、
 
「今まで会社のために必死にやってきたのに、この年齢になってリストラするのか!」
「貢献しろと言われても、そのような教育を受けていない!」
といった反論もあるかもしれません。
  
しかし、このような反論をしたとしてもそれは自分の人生を他人に責任転嫁しているに過ぎず、事態の解決にはつながりません。
 
  
では、どうしたら良いのか、私は以下の2つの提案をしています。
  
1.社内だけでなく社外で通用するスキルやネットワークの構築に取り組む
⇒職種によりスキルの内容は違いますが、自分の「売り」になるスキルは何かを考えましょう。
その上で、そのスキルを高める工夫をしましょう。また、外部の人とコミュニケーションをとる機会を作りましょう。
取引先とよりコミュニケーションをとることらかスタートしても良いですし、自己研鑽のためにセミナー等に行くのも良いでしょう。
 
 
とはいえ、今までやってきていないのに、何からやれば良いのかわからないという声も実際にあります。
実際、スキルアップやネットワーク構築は重要ではありますが、「自分には難しいな」と感じて気後れする場合があるかもしれません。
 
その場合は、全従業員がやるべき行動として次の対策をおすすめしています。
 
 
2.自分なりに、会社に貢献できる(=業績のアップにつながる)ことを見つけ、実践する
⇒まずは、自分がもらっている給与に見合う仕事をすることを考えましょう。これが一番実施しやすいと思います。
 
ベテラン社員であっても、言葉ではなく行動で貢献するということを考えましょう。人は「何を言うか」ではなく「何をするか」で判断します。
 
 
管理職クラスになっている場合が多いので、自らプレイヤーとして動くのは違うのではという意見も出てきそうですが、そもそもそれで会社の業績に貢献できていないので、まずは行動してみて、その上どのような貢献ができるのかを考え、実践することです。
 
これを繰り返すと、周りの若手社員からの見る目も変わり、信頼を得られるでしょう。
 
また、これが実践でき会社に貢献すると会社の業績安定につながるだけでなく、自らの評価が上がりリストラの対象どころか、必要な人材としての立場を確立できるでしょう。
 
 
市場が縮小し競争環境の変化が激しい時代において、中小企業が生き残っていくことはどんどん厳しくなっており、今後はさらに厳しくなっていくでしょう。そのような時代においてでも新しいチャレンジをベテラン社員が主導で実践していける会社が増えていけば日本の中小企業の競争力は高まってくるでしょう。
 
 
経営者は「働かないオジサン社員」を生まない施策を考案・実施し、一方で従業員は適切な危機感を持ちつつ給与に見合う貢献をすることをよりシビアに考えましょう。
※適切な危機感とワクワク感を経営者が従業員どう伝えるかについてもいつかコラムで書いてみたいと思っています!