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第34回 中業企業向けオンラインテクノロジー活用方法 - その2 組織・人事編


中業企業向けオンラインテクノロジー活用方法-その2 組織・人事編

 

前回は営業面から見たオンラインテクノロジーの活用について考察しました。今回は、組織・人事という観点からオンラインテクノロジーの活用を考えます。

 

まず、オンラインテクノロジーを活用することで「リテンション(スタッフの継続雇用)の強化」と「採用の強化」が可能となります。以下、これら2点について考察します。

 

〇リテンション(スタッフの継続雇用)の強化

今後さらに進む高齢化社会、また労働人口減少時代を考えると、中小企業にとってスタッフの確保は非常に重要な経営課題となります。一方、介護離職や女性のさらなる活躍推進を考えると、現状の働き方を維持したままでは労総力確保はおぼつかない状況となります。

オンラインテクノロジーを活用したリモートワークを推進することでこれらの課題の解決に近づくことができます。これまでの働き方で出社することが必須であったため、結婚や子育て、あるいは介護等の家庭の事情があるスタッフは退職しなければならなくなるケースが多くありました。

しかし、オンラインを活用することで出社の負担を大幅に減らすことができ(毎日出社する必要がなくなる)、家庭との両立が実現しやすくなることから継続して勤務してもらいやすくなります。


近視眼的に見れば新型コロナの影響で人員の削減が必要で、リテンションの強化についてあまり意味がないのではと考えるかもしれませんが、中長期で考えた場合には有能な社員をいかに保持するかということは競争上極めて重要度が高くなります。


「退職してもまた採用すれば良い」との考えは危険で、新規に採用するとしても、そもそも思うような人材が採用できない、採用できるとしてもそれなりの採用コストがかかる、また採用した後は戦力化するために教育コストが必要になります。これらの財務負担は中小企業経営にとって大きなコストアップ要因であり、このようなことを繰り返す企業が高収益を達成することは相当に難しくなります。

 

これらを考えると有能な社員にはテレワーク等を導入して離職を防ぐ方がコスト効率的にも業務品質の維持・向上という点でも合理的です。

 

 

〇採用の強化

上に述べたリテンションは組織強化という点で非常に重要ですが、同様に採用強化も重要です。コロナ禍で多くの中小企業が採用を凍結していますが、中長期の組織強化を考えると採用の成否は企業の成長に大きく影響します。オンラインテクノロジーを活用することで、採用活動に以下の効率化をもたらすことができます。

 

応募者増加

これまでの中小企業の採用は、そもそも応募者が来てくれない、来てくれたとしての採用活動の負荷が重い、また採用活動のコストがかかる、等の様々な問題がありました。これらの課題に対しオンラインテクノロジーを活用することで解決することが可能になります。

 

数多くの候補者に興味を持ってもらうためにはまず自社について理解してもらう必要があります。ただし、中小企業の場合、会社説明会を実施しても応募者を集めることに大変な苦労をします。しかし、オンラインテクノロジーを活用することによりこの問題は緩和されます。

例えば、会社説明会をYoutube等の動画サービスにアップし、期間関係なく視聴できるようにします。動画を作成する手間とコストは必要になりますが、一旦作成すると一定期間は制限なくその動画を候補者に見てもらうことが可能になり、リアルでの会社説明会は開催回数を減らす、または実施しないようにすることが可能です。

わざわざ訪問して会社説明会を聞くということは候補者にとっても負担が大きく、この段階で間口を狭めてしまうことにもなりかねません。また、遠方の候補者は物理的に会社説明会に参加できず、その段階で諦めてしまいます。


動画にすると、候補者自身がまだそんなに強い興味を持っていない段階でも映像を見てもらえる可能性が広がりますし、遠方に在住であっても映像を見てもらえる可能性が上がります。
結果として候補者の間口を広げることができ、企業が求める人材にアプローチできる確率を上げることができます。

 

 

面接の効率化

オンラインを活用することで、物理的に企業に訪問してもらうことなく面接を実施することが可能になります。

一旦面接をするとなると、候補者側は物理的に企業に訪問するという負担がかかり、企業側はせっかく候補者に来てもらっているので1時間程度面接をしなければならない(例えば、15分だけ話すというわけにもいかない)という時間的負担が生じます。これら両方の負担を避けるため、やむなく書類選考で選別をしている企業が多くあります。

 

しかし、オンラインテクノロジーを活用すると候補者側は企業に訪問するという物理的負担がなく面接を受けることができますし、企業側も書類だけで選考するのではなく、短時間(例えば15分)だけでも話してみて判断をするということがやりやすくなります。実際に話した方が書類だけで選考するよりもより精度が高い判断がしやすくなるでしょう。

 

また、別のメリットとして、オンラインテクノロジーを活用することで、面接官の間での情報共有がより容易になるという点があります。

 

選考が進むと、前の段階の面接官がどのような評価をしたかを共有することが一般的ですが、内容的に十分な深さで情報共有されることは、その手間の問題もあり稀で、各段階での面接官の独自判断で採否が決まるケースが多くあります。

 

しかしながら、オンラインテクノロジーを活用すると、面接のプロセスを全て録画することができるため、どのような質問にどのように回答したかまで共有することができます。また、多少の誤変換を許容できれば、自動で文字起こしをしてくれる技術もあり、テキストベースで共有ができます。これを活用できれば、前の段階の面接官が聞いた質問とは別の質問をすることで、より深く候補者の評価をすることができるようになります。

選考段階が進んでいるにも関わらず違う面接官から何度も同じ質問をされるということはよくあることですが、このような無駄を減らせます。結果として採用のステップを減らすことができた企業も実際にあります。

 

コスト削減

また、副次的な効果という位置づけになるかもしれませんが、オンラインテクノロジーを活用することで面接に必要な交通費負担や会議室の確保が不要になります。

そんなに大きなコスト削減にはならないのではとの疑問があるかもしれませんが、実際集計すると採用に必要な交通費の負担はそれなりの金額になることが多くあります。また、会議室を別途借りるということをしていれば、オンライン活用によりそのコストが全て削減できます。

これらのコストを削減することだけでも中小企業にとってはメリットが大きいと言えるでしょう。

 

※オンラインで採用活動についての注意点

オンラインで面接をするメリットについて検討してきましたが、同時に以下の点に注意する必要もあります。

まず、画面上では一部しか映らないため、カンペを見ることができ、ただ、カンペを読むだけの候補者が出てくる可能性があります。

例えば、よくある質問で「当社への志望動機は?」といった一般的質問に対して候補者は事前にカンペを作っているケースがほとんどでしょう。より候補者を深く理解するためには、その後に続いてカンペでは回答が難しい質問を作るなど、候補者をより理解するための工夫をする必要があります。

 

また、全ての採用プロセスをオンラインでやることについても注意が必要です。オンラインのデメリットは、候補者が持つ雰囲気や熱量、細かい所作の確認等が実施できません。また、候補者側としても会社の雰囲気が感じられないというデメリットがあります(この点をデメリットに感じるかどうかは個人差があるようですが)。

 

これらのデメリットを解消するために、弊社では一度は実際に会って(例えば最終面接時のみは実際に会社に訪問して実施)、双方にカルチャーフィットしているかを検証することをクライアント企業様には推奨しています。

職種によっては全てオンライン(エンジニア系では全てオンラインで実施いう企業も出てきています)は不可能ではないですが、入社後にカルチャーの相違から早期の退職ということが発生すると企業側と社員の双方にとって不幸となるため、一度は実際に会って雰囲気を確かめるプロセスを置く方がより合理的でしょう(最終面接は役員との顔合わせという位置づけの会社が多いかもしれませんが、オンラインを面接に取り入れるとするならば最終面接は今後顔合わせというレベルではなく、採用の中での重要なプロセスとなります)。

 

以上、今回はオンラインテクノロジーの活用を組織・人事面から検討しました。参考になる内容があれば是非貴社の経営に取り入れていただきたいと思います。