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ある日突然40億円の借金を背負う‐それでも人生は何とかなる。


タイトルが衝撃的なので、もしかしてとある経営者の自慢話のような内容かと思ったのですが、全く違いました。

 

キリンビールに努めるエリートサラリーマンが突然の父親の死により、父が経営する飲食会社を引き継ぐという話です。ふたを開ければ負債が40億円あることが判明。かつてのエリートサラリーマンだった著者が、その借金のプレッシャーにつぶされそうになりながら経営を立て直していくリアルなストーリーが書かれてあります。

 

ベンチャー・中小企業の経営をたくさん見てきた私からしても、かなりリアルな話が書かれていますし、経営者の孤独と不安といった精神面も他の本にはないくらい書かれています。

 

国税局や銀行との交渉、またメガバンクと信用金庫の全く違う対応、苦しい状況にありながら非協力的でいる社員、その社員にも強く出られないつらさ、結局誰も信用できなくなる精神状態等、著者が眠れなくなる状況が刻銘に書かれています。業績が悪くなる企業で起こりそうなことがたて続けに起こるリアルさがあります。

 

また、

・最悪の事態を紙に書きだすことで精神的な安定を作る

・顧客の後をつけるてどんな話をしているかを聞くことで顧客の本音を聞く

・ポジショニングを思い切って絞ってみる

・組織マネジメントをしたことがない著者が考えた1対1のマネジメント

 

など、多くの中小・ベンチャー起業家の参考になる手法についても述べられています。

 

経営が安定してきた後に起こる信頼する社員の死や変われない自分についての内容も実際に経営をしている人からすると心にしみる内容ではないかと思います。人間はそう簡単に切り替えが効かないもんです。しかし、経営者は切り替えなけばいけない、という点に経営者という仕事の厳しさのいったんがあると思います。この本はその点についても教えてくれます。

 

私が今までお付き合いした経営者の中で、業績がギリギリまで下ってから復活した人はほぼいません。復活できない経営者の共通点として次の2点を感じていました。それは

業績が下がるプロセスで

・他の役員や社員、関係者に責任を擦り付ける(他責にする)

・苦しい状況に真正面から向き合わず、逃げる

この2点が共通しています。

この本の著者は、この他責にしたい気持ち、また逃げたい気持ちを持ちながらもそれをせず、真正面からひとつずつクリアしていったところが業績回復の原因なのかと感じました。

 

経営者、また今後起業しようという人には大変参考になる内容だと思います。お薦めできる本です。