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人間を磨く - 人間関係が好転する「心の技法」  田坂広志


今回は直接は経営に関係しないように思える本ですが、仕事をしていくうえで大切な心の持ち方を教えてくれる本です。

以下、概要です。

 

「人間を磨く」とは「非の無い人間」を目指すことではないというところからスタート。「非」や「欠点」や「未熟さ」を抱えたままでも周りの人と良き人間関係を築くことができる。

人間を磨くにあたっての「三つの視点」

○第一の視点

一つの理想的な「統一人格」を持つ人間を目指すのではなく自分の中に「様々な人格」を育て、場面に応じて使い分ける。

○第二の視点

自分の心の中の「小さなエゴ」を捨て去ろうとするのではなく静かに見つめることができるもう一人の自分を育てる。

○第三の視点

理想的人間像に向かって一歩一歩成長していくための「具体的修行法」を身に着ける。

 

人間関係が好転する心の技法として7つの技法がある(具体的修行法)

 

○第一の技法     「 心の中で自分の非を認める」

自分の非や欠点を素直に自覚し、周りの人に対して率直に認めることで人間関係は好転する。認める以上に感謝をすると、それは周りに伝わり、さらに好転する。

 

○第二の技法    「 自分から声をかけ、目を合わせる」

人間の心は我々が思っている以上にしなやかである。自分の心を開くことで自分が救われる。相手が心を開いてくれなくてもこちらの心は伝わっている

 

○第三の技法        「 心の中の「小さなエゴ」を見つめる」

自分に本当の自信がないと謙虚になれない。自信は競争に勝つことでは得ることはできない。また、本当に強くないと感謝できない。「本当の強さ」とは引き受けができること。

 

○第四の技法         「 その相手を好きになろうと思う」

「本来欠点は存在しない。個性が存在するだけである。」、「嫌いな人は実は自分に似ている」。相手を好きになるためには、相手に共感することが最良の道である。共感とは相手の姿が自分の姿のように見えること。相手の心に正対するだけで関係が良くなる。

 

○第五の技法        「 言葉の怖さを知り、言葉の力を活かす」

 

○第六の技法        「 分かれても関係を絶たない」

「愛情」とは関係を絶たぬこと。人間関係が下手な人とは人とぶつかる人ではなく、ぶつかった後に和解できない人であり、和解の余地を残せない人である。

 

○第七の技法         「その出会いの意味を深く考える」

人生における人との出会いは全て自分という人間の成長のために与えられた出会いである。卒業しない試験は追いかけてくる。自ら逃げてしまうと、同じような壁が必ず現れる。

 

 

読みやすい文体で書かれており、かつ事例をたくさん入れてくれているので非常にわかりやすく書かれています。しかしながら、大変深い内容の本です。自省をしながら読むと結構時間がかかる本です。

 

全て実践するのは難しいと折れそうになりますが、冒頭で「非のない人間を目指すことではない」と書かれているところからすると、この中の一部でも実践できると自分を磨くことにつながるのかなと思います。

 

「嫌いな人は自分い似ている」や「卒業しない試験は追いかけてくる」というのは個人的には印象に残る文章でした。

 

「人間を磨く」というタイトルですが、嫉妬や怒り、妬みといった不健全な精神状態から自らを守る手法について書かれているという解釈もでき、その意味では心を幸せな状態に保つための手法について書かれていると言っても良いと個人的には思いました。

 

一度や二度読んだだけでは本書の内容を十分に咀嚼したとは言えない本で、定期的に読み返したい本です。